未経験のITエンジニアとして面接に臨む際、「キャリアプランはありますか?」と質問されて戸惑った経験はありませんか?
そもそもキャリアプランの立て方や、面接での効果的な答え方がわからず、不安を感じている方も多いでしょう。
本記事では、そんなあなたのために、面接で自信を持って回答できるようになるだけでなく、自分自身のキャリアプランをしっかりと考える手助けをいたします。
これまで数百人のエンジニアの面接官を務めてきた筆者の実体験に基づいて、具体的なキャリアプランの回答例も紹介しています。
リアルな現場の視点から、どのようにキャリアプランを構築し、面接で効果的に伝えるかを詳しくお伝えします。
ITエンジニアの面接でキャリアプランを聞かれる理由
面接官がキャリアプランについて質問するのには、主に以下の3つの理由があります。
- 長期的に活躍できる人材かどうかを見極めるため
- 成長意欲や適応力を確認するため
- 企業文化に合っているかを確かめるため
長期的に活躍できる人材かどうかを見極めるため
企業が面接でキャリアプランを質問するのは、応募者が長期的に企業に貢献できる人材かどうかを見極めるためです。
未経験エンジニアの場合、技術的なスキルはこれから習得していくことになりますが、将来のビジョンや成長意欲が明確であれば、企業としても安心して投資できます。
成長意欲や適応力を確認するため
キャリアプランを通じて、応募者の成長意欲や新しい環境への適応力を評価しています。
明確な目標を持ち、自ら学び成長しようとする姿勢は、未経験者でも高く評価されます。
企業文化に合っているかを確かめるため
企業は自社のビジョンや価値観と一致する人材を求めています。
キャリアプランを知ることで、企業文化やチームにフィットするかどうかを判断しています。
キャリアプランを考える際のポイント
キャリアプランを考えるときは、以下の2つの視点を意識すると、より良いプランを作ることができます。
- 企業の強みと一致しているかを確認する
- 現実的で具体的な目標を設定する
企業の強みと一致しているかを確認する
キャリアプランを立てる際には、まず企業の強みと自分の目標が一致しているかを確認することが重要です。
例えば、コーディングを得意とする受託企業の面接で、「要件定義やプロジェクトマネジメントなどの上流工程を担当したい」と伝えても、企業側が提供できるキャリアパスと合致しない可能性があります。
そのため、面接で合格したいのであれば、企業の強みや特徴を深く理解した上で、自分のキャリアプランを調整する必要があります。しかし本来は、まず自分の理想とするキャリアプランを明確にし、そのプランを実現できる企業を探して面接を受けることが理想的です。
面接での合格が最終目的ではなく、あくまで自分のキャリア目標を達成するための手段であることを忘れてはなりません。
現実的で具体的な目標を設定する
現実的で具体的な目標を設定することも重要です。その際に「野望」と「キャリアプラン」は区別して考えるべきです。
例えば、「将来自分のサービスを開発し、世界中の人々に使われるようにしたい」というのは大きな野望であり、短期的なキャリアプランとしては現実的ではありません。
面接でキャリアプランを尋ねられた場合には、具体的かつ達成可能なプランを話すことで、面接官に好印象を与えることができます。
未経験エンジニア向けキャリアプランの具体例
それでは、未経験ITエンジニアにおけるキャリアプランの具体例を紹介します。
例1:フロントエンドエンジニアのスペシャリストを目指す場合

フロントエンドエンジニアのスペシャリストになりたいと考えています。まずは、ReactなどのJavaScriptフレームワークを極めて、シングルページアプリケーション(SPA)の開発経験を積んで、技術力を上げていきたいです。
UI/UXの知見も深めていきたいと思っています。デザインの視点からもアプローチすることで、ビジネス課題を解決できるフロントエンドエンジニアになりたいです。また、バックエンドの知識も取り入れ、技術的負債などの課題を適切に解決できるようになりたいと考えています。
最終的には、フロントエンドの技術選定やアーキテクチャ設計も担当できるテックリードとして、チームに貢献していきたいと思っています。
例2:バックエンドエンジニアのスペシャリストを目指す場合



バックエンドエンジニアとして一連の開発工程の技術スキルを上げ、要件定義から設計、実装、テスト、リリースまで、全てのフェーズで活躍できるエンジニアを目指しています。
コーディングだけでなく、ドキュメントの管理や開発プロセスの自動化にも積極的に取り組み、生産性や品質の向上にも寄与したいと考えています。また、AWSを中心としたクラウドインフラの知識も身につけ、クラウドサービスをスムーズに開発・運用できるエンジニアになりたいと思っています。
幅広いスキルを身につけて、技術的な課題を解決し、チーム全体のパフォーマンスを向上させる存在になりたいです。
例3:将来的にプロジェクトマネージャーを目指す場合



エンジニアとして開発スキルを極め、その上で将来的にはプロジェクトマネージャー(PM)としてキャリアアップしたいと考えています。技術的な知見を持ったPMになることで、進捗管理や品質管理だけでなく、技術的な課題にも積極的に取り組めると考えています。
また、プロジェクトマネジメントだけでなく、ピープルマネジメントにも力を入れたいと思っています。チームのエンジニアがモチベーション高く働ける環境を作り出し、個々の成長をサポートしたいです。人と技術の両面からプロジェクトを成功に導くPMを目指しています。
未経験エンジニアがキャリアプランを立てる5つのステップ
キャリアプランを立てることは、未経験エンジニアが成長していく上で欠かせません。
以下の5つのステップに沿って、自分だけのキャリアプランを作成してみましょう。
- ステップ1:自身のスキルを分析する
- ステップ2:興味・関心を分析する
- ステップ3:価値観を分析する
- ステップ4:長期目標(3〜5年後)を設定する
- ステップ5:短期目標(半年〜1年後)を設定する
ステップ1:自身のスキルを分析する
まずは、自分の持っているスキルを客観的に整理します。
技術的スキルとソフトスキルの両面から考えてみましょう。
技術的スキルでは、これまでに学んだプログラミング言語や使用した開発ツールを洗い出してみてください。独学で取り組んだ内容やオンラインコースで学んだ技術も含めて整理しましょう。
ソフトスキルについては、コミュニケーション能力や問題解決力、チームワークなどを考慮します。例えば、チームメンバーとの円滑な意思疎通ができるか、課題に直面したときに主体的に解決策を見つけられるか、協力して目標を達成する姿勢があるかなど、自分の特性を振り返ります。
ステップ2:興味・関心を分析する
次に、自分が興味を持っている分野や技術を明確にします。
開発領域の選定では、ウェブ開発やモバイルアプリ開発、ゲーム開発など、どの分野に興味があるかを考えてみてください。
また、AI・機械学習、IoT、クラウドコンピューティングなど、特に関心のある技術トピックを洗い出します。さらに、金融や医療、教育、エンターテインメントなど、特定の業界で働きたいという希望があれば、それも考慮します。
自分の興味や関心を明確にすることで、目指すべき方向性が見えてきます。
ステップ3:価値観を分析する
自分の働き方やキャリアに対する価値観を見つめ直します。
働き方の志向では、チームで協力するのが好きか、一人で集中して取り組むのが好きかを考えます。
協調性を重視するのか、個人の裁量で成果を出すのが得意なのか、自分のスタイルを理解しましょう。
キャリア志向の確認として、スペシャリストとして特定の技術を極めたいのか、組織やプロジェクトを管理するマネジメントを目指したいのかを明確にします。
また、仕事とプライベートのバランスをどの程度求めるかなど、ワークライフバランスの考え方もはっきりさせましょう。
これらの価値観を理解することで、自分に合ったキャリアパスを選択できます。
ステップ4:長期目標(3〜5年後)を設定する
自己分析をもとに、現実的で具体的な長期目標を設定します。
例えば、テックリードとして技術面でチームを牽引する存在を目指す、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト全体を管理し成功に導く役割を担う、新しいサービスを企画・開発してユーザーに価値を提供するプロダクトを自ら創出するなど、自分の理想像を描いてみてください。
長期目標は大きな方向性を示すものなので、現時点での自分のビジョンを具体的に表現することが重要です。
ステップ5:短期目標(半年〜1年後)を設定する
長期目標を達成するための具体的な短期目標を設定します。
特定のプログラミング言語、例えばPythonやJavaScriptなどを集中的に学習する、基本情報技術者試験やAWS認定資格などの専門性を証明できる資格に挑戦するなどが考えられます。
短期目標は具体的かつ達成可能なものにすることで、モチベーションを維持しやすくなります。
「そのキャリアプランをどのように実現させますか?」という質問に対する回答例
キャリアプランを話すと、そのプランの実現方法について聞かれる可能性があります。
仮にそのような質問がない場合でも、そのプランをどのように実現するつもりなのかを具体的に伝えることで、信頼性が増し、面接官に良い印象を与えることができます。
以下は、ITエンジニア向けのプランを実現させるための方法論事の一例です。
- 技術本を読むことで体系的な知識を習得する
- カンファレンスに参加して最新の技術動向を把握する
- 技術ブログ等でアウトプットして知識を定着させる
例1:技術本を読むことで体系的な知識を習得する



キャリアプランの実現に向けて技術力を上げるために、ネット上の情報だけでなく、技術本を読むことで基礎から応用まで体系的に学ぶようにしています。断片的な知識ではなく、原理原則を理解した上で実践に活かすことができると考えています。
例2:カンファレンスに参加して最新の技術動向を把握する



カンファレンスやセミナーに積極的に参加しています。技術力の向上もチーベンションの維持、自分の視野を広げる良い機会となっています。また、他のエンジニアとのネットワーキングを通じて、人脈を築き、情報交換を行うことで、自身の成長に繋げています。
例3:技術ブログ等でアウトプットして知識を定着させる



学んだ内容や経験したことを技術ブログで発信するようにしています。アウトプットすることで自分の理解が深まり、知識の定着にも効果的だと考えています。また、情報を発信することで他のエンジニアからフィードバックを得ることもでき、自分の視野をさらに広げることにも繋がっています。
よくある質問(FAQ)
- キャリアプランがまだ明確でない場合、どうすれば良いですか?
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キャリアプランが明確でない場合でも、自己分析を行い、自分の興味や強み、価値観を整理することで目標を見つけることができます。本記事で紹介した5つのステップを参考に、まずは短期的な目標から設定してみましょう。
- 面接でキャリアプランを話す際に気をつけるポイントは何ですか?
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面接でキャリアプランを話す際には、具体性と現実性が重要です。抽象的な野望ではなく、達成可能な目標を明確に伝えましょう。また、その目標を達成するための具体的な行動計画や取り組みを示すことで、信頼性が高まります。
- キャリアプランと企業のニーズが一致していない場合、どうすれば良いですか?
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キャリアプランが企業のニーズと一致していない場合、面接での評価が下がる可能性があります。事前に企業の強みや求める人材像を理解し、自分のキャリアプランと合致しているか確認しましょう。必要であれば、自分の目標を再考するか、他の企業を検討することも選択肢です。
まとめ
未経験エンジニアが面接で効果的にキャリアプランを伝えるには、まず自分のキャリアプランを明確に立てることが重要です。
その際、以下のポイントを押さえましょう。
- 企業の強みと一致しているか確認する
- 現実的で具体的な目標を設定する
キャリアプランを立てる5つのステップは以下の通りです。
- 自身のスキルを分析する
- 興味・関心を分析する
- 価値観を分析する
- 長期目標を設定する
- 短期目標を設定する
具体例として、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアのスペシャリスト、プロジェクトマネージャーを目指すキャリアプランを紹介しました。
未経験でも明確なキャリアプランと行動計画を持つことで、面接官に信頼性と熱意を伝えることができます。
本記事を参考に、自分だけのキャリアプランを立て、理想のキャリアへの一歩を踏み出してください。