転職活動中のITエンジニアの皆さん、面接で「苦労したことは何ですか?」(=業務でどのような課題があり、それをどう乗り越えましたか?)と質問された経験はありませんか?
多くのエンジニアが、この質問にどう答えるべきか悩んでいることでしょう。
この質問で、あなたの問題解決能力や成長意欲、そして技術的なスキルまで見ている可能性があります。
この記事では、ITエンジニアが転職面接で「苦労したこと」を聞かれた時に自信を持って答えるための最適な方法を具体的な例文と共に紹介します。
ITエンジニア転職面接で「苦労したこと」を聞かれる理由とは?
面接官が「苦労したこと」を尋ねることで、何を知りたいのかを把握しておくことが大事です。
前提として理解しておくべきことは、面接官が知りたいのは「苦労したこと」そのものだけでなく、それをどのように乗り越えたのかという点も含まれているということです。
面接官が「苦労したこと」を質問することで知りたい3つのポイント
「苦労したこと」を質問することで、面接官が知りたいことは主にこの3つです。
- 問題解決能力
- 学習意欲と成長
- チームワークとコミュニケーション能力
問題解決能力の評価
エンジニアは日々様々な技術的課題に直面します。
面接官は、どのような問題に対して、どのように解決したのかを知ることで、その人の問題解決能力を見ています。
特に、技術的な問題に直面した時の具体的な対応策や解決方法を聞くことで、候補者のスキルや知識の深さも確認しています。
学習意欲と成長
苦労した経験をどう乗り越えたかを問うことで、候補者がそこから何を学び、どのように成長したかを確認しています。
失敗や困難を経験した後、それをどのように教訓にし、次に活かしているかを通じて、学習意欲や今後の成長の可能性を見ています。
チームワークとコミュニケーション能力
エンジニアの仕事で発生する問題の多くは一人ではなく、チームで解決します。
候補者がどのようにチームと協力し、コミュニケーションを取りながら問題解決に当たったかを確認しています。
ITエンジニアが転職面接で語るべきエピソードの選び方
苦労したエピソードを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえて選ぶと、面接官に対して効果的に伝わるエピソードになります。
- 自分自身が主体となって解決したエピソード
- 課題、原因、対策のプロセスが明確でわかりやすいエピソード
- ポジティブな結果をもたらしたエピソード
- 成長と学びを強調できるエピソード
- 求人で求められていることに関連するエピソード
苦労したエピソードは突然思い浮かぶものではありません。
これらの観点を考慮しながら、最も適したものを選び、準備しておきましょう。
特に、「求人で求められていることに関連するエピソード」がある場合は強力な武器になります。
例えば、新規プロダクトの立ち上げ経験を求められている、障害対応の経験を求められている、特定の技術スタックの経験を求められているなど、求人によって求められるスキルや経験は異なります。
そのため、求められる要件と親和性が高いエピソードを選ぶと効果的です。
【例文あり】ITエンジニア転職面接での「苦労したこと」回答例
それでは、ITエンジニアにおけるエピソードの具体例を紹介します。
パフォーマンス問題を解決したエピソード

【状況】
運用中のウェブアプリケーションでパフォーマンスの問題が発生し、ユーザーのアクセスが集中すると遅延が発生するようになりました。
【課題】
原因を特定し、パフォーマンスを向上させる必要がありました。
【私がとった行動】
パフォーマンスモニタリングツールを導入し、ボトルネックを特定しました。コードのリファクタリングを行い、クエリの最適化やキャッシュの導入を実施しました。負荷テストを繰り返し実施し、効果を検証しました。
【結果】
ウェブアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上し、ユーザーからのフィードバックも良好でした。この経験を通じて、パフォーマンスチューニングのスキルを磨くことができました。
プロジェクトマネジメントとチームワークに関するエピソード



【状況】
大規模なソフトウェア開発プロジェクトで、リーダーとしてチームを率いることになりました。
【課題】
プロジェクトのスケジュールが厳しく、異なる部門間の調整が必要でした。
【私がとった行動】
各部門の担当者と定期的なミーティングを設定し、コミュニケーションを円滑にしました。タスクの優先順位を明確にし、チーム全体で効率的に作業を進めました。進捗状況を可視化し、問題が発生した際には迅速に対処しました。
開発環境を改善したエピソード



【状況】
新しいチームへの配属となり、バックエンド開発をリードすることになりました。
【課題】
開発環境が整備されておらず、開発効率が低下していました。開発プロセスに問題があり、ドキュメント化も改善の余地がありました。
【私がとった行動】
コードレビューの必須化を行いました。案件化した際のドキュメント(Design Docs)化を実施しました。開発ツールやライブラリの標準化を行いました。
開発言語の共存と予算制約を乗り越えたエピソード(より詳細に記載)



【状況】
プロジェクトの開発期間が3ヶ月と非常に短く、バックエンドの開発者は自分一人という状況でした。
【課題】
GoとPythonが共存していました。
機械学習ロジックの精度だけでなく、UXの観点から速度も重要で、さらに予算制約も考慮しなければなりませんでした。
【私がとった行動】
一人でマイクロサービス展開を行い、従来のGoのサーバーとは別にPythonサーバーを2つ設けました。それぞれのサービスはGoogle Cloud Runを用いて行い、GitHub Actions上でDocker buildとdeployするようにCI/CDを組みました。
機械学習の精度検証に関しては、厳密な正解データを作る時間がなかったため、可能な限り多くのロジックを試し、ビジネス側の意見も取り入れながら最良のものを選びました。速度が最後までボトルネックであったため、PythonとGoのサーバーそれぞれにトレーサーを仕込み、どの処理が最も時間を要しているかを特定しました。特定後、その処理の実行タイミングをGoの非同期処理を駆使して可能な限り早めるようにしました。
また、一部Kubernetesのjob機能を用いて可能な計算を先にしておくところを心がけました。UXの観点からエンドユーザーに迅速に結果を返す必要があると判断し、ChatGPTの出力(Python)をGoとSSE通信を行うことで、即座に何かしらの結果を返せるようにしました。
「苦労したこと」のエピソードを組み立てるポイント
上記のエピソード例のように、状況→課題→行動→結果という流れで組み立てるとわかりやすくなります。
さらに、単に課題を説明するだけでなく、どのようにして課題の原因を特定したのかという点も話すことで、エピソードに深みが加わります。
また、課題から学んだ教訓や、この経験を通じてどのように成長したのかという内容も付け加えると、より効果的です。
避けるべきNG回答とその理由
面接で「苦労したこと」を話す際には、以下のようなNG回答を避けることが重要です。
これらの回答は、面接官に対してネガティブな印象を与える可能性があります。
- 他者の批判や責任転嫁
- 解決策が曖昧なエピソード
- ネガティブな結果に終わったエピソード
「チームメンバーが全然協力してくれなかったので、プロジェクトが大変でした。」といった他者の批判や責任転嫁、「プロジェクトがうまく進まなかったけど、最終的には何とかなりました。」のような解決策が曖昧なエピソード、「最終的にプロジェクトは失敗しました。」というネガティブな結果に終わったエピソードは避けるようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
- エンジニアの実務経験が少なく、苦労した経験が特にありません。どのように回答すればいいでしょうか?
-
実務経験が少ない場合は、自己学習の中で苦労したエピソードを話すのが良いでしょう。何かを開発する際には必ず困難に直面することがあります。それをどのように解決し、何を学んだのかを具体的に話すことで、自分の成長や学びをアピールできます。
- ネガティブな結果になったエピソードしかありません。うまく伝える方法はありますか?
-
ネガティブな結果に終わったエピソードの場合、その経験から何を学んだのか、そしてその後の行動がどのように変わったのかに焦点を当てると効果的です。失敗からの学びを強調することで、前向きな姿勢を示すことができます。
- 結論から先に伝えた方がいいのではないでしょうか?状況→課題→行動→結果という順で話をすると話が長くなってしまいます。
-
先に結論を述べ、その後に状況やストーリーを説明すると、印象が良くなることがあります。しかし、状況→課題→行動→結果という順で話すことで、ストーリー性を持たせ、相手により分かりやすく伝えることができます。結論→原因だけを伝えるのは、面接の場ではあまりお勧めしません。
- 技術的なエピソードと、ピープルマネジメントのエピソードではどちらのエピソードを話すべきでしょうか?
-
募集する求人に合わせるべきです。技術的なスキルを求める求人であれば技術的なエピソードを、マネジメントスキルを求められている場合は、マネジメントに関するエピソードを話すと効果的です。
「苦労したことは何?」という質問に対して適切に回答して面接通過!
「苦労したこと」を面接で効果的に回答するためには、具体的なエピソードを選ぶことが大切です。
抽象的な話は相手に伝わりません。
面接官が具体的な状況がイメージできるように、詳細なエピソードを選びましょう。
また、そのエピソードを「状況→課題→行動→結果」という流れで構成することで、面接官にわかりやすく伝えることができます。
エピソード選定のポイントはこちらです。
- 自分自身が主体となって解決したエピソード
- 課題、原因、対策のプロセスが明確でわかりやすいエピソード
- ポジティブな結果をもたらしたエピソード
- 成長と学びを強調できるエピソード
- 求人で求められていることに関連するエピソード
他者の批判を避け、自分の行動や成長に焦点を当てることが重要です。
チームメンバーや外部要因を批判するのではなく、自分がどのように問題に取り組み、どのようにして課題を克服したのかを中心に話すことで、プロフェッショナルな仕事ぶりを示すことができます。
これらのポイントを押さえて回答を準備することで、面接官に対して効果的に自身の能力や経験をアピールすることができます。
皆さんの転職活動の成功をお祈りしています。