ITエンジニアがキャリアアップを目指す上で、最新の技術動向を把握することは非常に重要です。
本記事では、現在需要が高いプログラミング言語と今後注目される言語について、それぞれの特徴や利用シーン、需要が高い理由、そして将来性を詳しく解説します。
どの言語を選ぶべきか迷っている方、これからプログラミングを始めようとしている方、新たな技術を習得したい方にとって、有益な情報をお届けします。
求人数が多いプログラミング言語
技術言語の需要は、求人数で計ることができます。
正社員求人のプログラミング言語別ランキング
ITエンジニアに特化した大手人材会社レバテックが発表しているデータによると、ランキングは以下の通りです。
1位 | Java | 1418件(BtoB:1219件、BtoC:199件) |
2位 | PHP | 494件(ソーシャルゲーム:37件、ソーシャルゲーム以外:457件) |
3位 | JavaScript | 406件(フロント:326件、サーバ:80件) |
4位 | Ruby | 326件 |
5位 | Python | 261件 |
Javaの求人数が圧倒的に多いことが分かります。
Javaは普及率が非常に高く、エンジニアの確保が比較的容易であり、障害が発生しにくいといった特長があります。そのため、大手企業の基幹システムに採用されるケースが多く見られます。
特に、大手SIerやITコンサルティング会社といったプライムベンダーが持つ案件では、Javaを採用することが一般的です。
その結果として、これらの企業から仕事を受託している中小の開発会社も、Javaエンジニアを多く採用する傾向が強くなっています。
フリーランス案件数ランキング
フリーランス案件のプログラミング言語別ランキングはこちらです。
1位 | Java | 242件(BtoB:205件、BtoC:37件) |
2位 | JavaScript | 80件(フロント:45件、サーバ:35件) |
3位 | Python | 76件 |
4位 | C言語 | 72件 |
5位 | C# / C#.NET | 70件 |
こちらでもJavaの求人数が圧倒的に多いことが確認できます。
また、C言語やC# / C#.NETが5位以内に入っている点も、フリーランス案件に特有の傾向です。
C言語は、古くから存在するシステムや組み込みシステムで広く利用されており、依然として高い需要があります。
さらに、C# / C#.NETは、Windowsプラットフォームに依存する業界でのニーズが強く、これらの言語が上位にランクインしている理由となっています。
新規学習者が増えている今後注目のプログラミング言語
エンジニアの間で学習者が増えている注目のプログラミング言語は、以下の通りです。
- Go(Golang)
- Flutter
- Rust
- TypeScript
Go(Golang)
Go言語は、現在最も注目を集めているプログラミング言語の一つです。
2009年にGoogleによって開発されたこの言語は、そのシンプルな構文と動作の速さが大きな特徴であり、YouTubeもGoで書かれていることから、その性能の高さが伺えます。
Goは、小規模なアプリケーションから大規模なシステムまで幅広く適用できるため、近年ではGoを採用する企業が増えています。
特にスタートアップ企業が新規プロダクトを開発する際に、Goを選定するケースが増加しています。
また、エンジニア経験の長い方々の中でも、新たな言語としてGoを習得する動きが広がっており、Goの人気と需要はますます高まっています。
Flutter
Flutterの学習者も急増しています。
特に、ネイティブアプリ(スマホアプリ)開発において、Flutterを採用する企業が増加しています。
従来、スマホアプリはiOSアプリをSwiftで、AndroidアプリをKotlinなどで別々に開発する必要がありました。
しかし、Flutterを使うことで、iOSとAndroidのアプリを同時に開発できる点が大きな利点です。
このクロスプラットフォーム開発の効率性が、多くの企業にとって魅力となっています。
さらに、Flutterはスマホアプリだけでなく、Webやデスクトップ向けのアプリ開発にも対応しているため、非常に汎用性が高いフレームワークです。
(注: Flutterはフレームワークであり、厳密にはプログラミング言語そのものではありません。Flutterで使用される言語はDartです。)
Rust
Rustの学習者も増加傾向にあります。
Rustは、処理速度の速さと効率的なメモリ管理が可能である点が大きな強みです。
この言語は、Webアプリケーションの開発だけでなく、デスクトップアプリケーションや組み込みシステムにも幅広く活用されています。
特に、メモリ安全性とパフォーマンスを重視するプロジェクトで高く評価されており、エンジニアたちの間で注目されています。
TypeScript
TypeScriptは、近年、採用する企業が増えているプログラミング言語です。
JavaScriptの拡張として開発され、静的型付けを導入することで、コードの安全性と可読性を向上させることが特徴です。
特に、フロントエンド開発においてTypeScriptを使用することが標準になりつつあります。
さらに、TypeScriptはフロントエンド開発だけでなく、バックエンド開発にも利用されることがあり、全体的な開発環境でその活用範囲が広がっています。
効率良くキャリアアップするための言語選択
ここまで、需要の高い言語と今後注目される言語について紹介しました。
しかし、それでもどの言語を学習すれば良いか迷っている方に向けて、言語選択のアドバイスをお伝えします。
- まずは需要の高い言語を選び、一つの言語を極めることが重要
- 特に言語にこだわりがないという方は、まずはJavaを学習することをおすすめ
まずはは需要の高い言語を選び、一つの言語を極めることが重要
これからエンジニアを目指す方や、まだ経験が浅い方は、まず需要の高い言語を選び、その言語を極めることが重要です。
エンジニアの世界では、一つの言語をしっかりと習得すれば、他の言語のキャッチアップにかかる時間も短縮できると言われています。
中途採用でも、特定の言語経験者のみを要件としている求人は稀で、他の言語での経験があるエンジニアも広く求められています。
たとえば、Pythonで開発している企業でも、JavaやRubyなど他の言語の経験者を積極的に採用するケースは多いです。
特に言語にこだわりがないという方は、まずはJavaを学習することがおすすめ
特に特定の言語にこだわりがない方には、まずJavaを学習することをおすすめします。
Javaをおすすめする理由は、求人数が多いことに加え、静的型付け言語であり、需要が高い点です。
「今後注目の言語」で紹介したGo、Flutter(Dart)、Rustはいずれも静的型付け言語です。
また、TypeScriptも静的型付けの要素を持つ言語で、動的型付けの特性も併せ持っています。
こうした背景から、パフォーマンスやスケーラビリティ、保守性などの観点で静的型付け言語を好む企業が増えており、Javaを極めることがキャリアアップの大きな一歩となるでしょう。
より優秀なエンジニアになるために
近年、多くの企業がクラウドを活用するようになっています。
プログラミング言語とは異なりますが、AWSやGCPなどのパブリッククラウドのスキルを身につけることも、今後のキャリアアップにおいて非常に重要です。
これからエンジニアを目指す方や、まだクラウド環境での開発経験がない方は、クラウドの学習も同時に進めることをおすすめします。
特に、需要の観点からはAWSが最もおすすめです。
Amazon Web Services (AWS) | 29% |
Microsoft Azure | 21% |
Google Cloud Platform (GCP) | 8% |
富士通クラウド | 7% |
NTTコミュニケーションズ | 6% |
その他のプロバイダー | 29% |
AWSにはさまざまな資格があり、これらの資格を取得することを目的に学習を進めるのは非常に効果的です。資格を取得することで、クラウド技術に関する知識やスキルを体系的に習得できるだけでなく、面接時においても強力なアピールポイントとなります。
AWSの資格は、クラウドに関する専門知識を証明するものとして、多くの企業で評価されています。
- AWS Certified Cloud Practitioner
- AWS Certified Solutions Architect – Associate
- AWS Certified Solutions Architect – Professional
- AWS Certified Developer – Associate
まとめ
今回の記事では、現在需要が高いプログラミング言語や今後注目される言語を紹介し、それぞれの特徴や利用ケース、そして言語選択のポイントについて解説しました。
効率良くキャリアアップを図るためには、まず需要の高い言語を選び、一つの言語を極めることが重要です。
特にJavaは、求人数が多く、静的型付け言語としての需要が高いため、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせる上で有力な選択肢です。
また、今後のキャリアアップを考える上で、AWSなどのクラウド技術の習得も欠かせません。
資格取得を目指して学習を進めることで、面接時の強力なアピール材料となり、より多くのキャリアチャンスを開くことができるでしょう。